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光を求めて
第6章 初体験
玄関先にはいつも履いている雅也の靴と……ヒールの高い赤い靴が2足並んでるのを見て、父の言った言葉を思い出す。



――雅也くんには彼女がいるんだ。この前、紹介されたよ



信じてないわけじゃない。
だけど父の言葉が私の頭の中をぐるぐると回り、赤いヒールとリンクして嫌な予感しかしない。
それでも真実を知りたい私は、階段を上がって雅也の部屋に向かった。
歩くごとに耳入ってくる音に心臓がギュっと握りつぶされそうになる。
そんなはずはないと思いながら、そうなの?と心の中で葛藤が生まれはじめていた。
だけど部屋に近づくほどに、その音は確実に耳に入ってきて疑う以外考えられなくなった。
耳を塞ぎたくなる音に足がすくみそうになりながらも足は止まらない。
最後の階段を登り切ろうとした時、雅也の部屋の方からひときわ大きな音が鳴り響く。
その音を私は知っている。
知らないはずがない、分からないはずがない。
だって、それは私がいつも出している音……声音……
雅也と愛しあっている時に私が口にする嬌声だった。


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