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光を求めて
第6章 初体験
「アッ……アアアアッ、激しいっ、雅也っ!!」
女は嬌声を上げながら雅也の名前を呼ぶ。
そして……
「菜穂」
雅也が他の女の名前を呼ぶ声までもが聞こえた。
見てはダメだと私が私に言う。
見てしまったら言い訳ができなくなるから見てはダメだという私と、真実を知りたいと思う私が鬩(せめ)ぎあう。
勝ったのは真実を知りたい私。
意を決してドアを少し開けると、信じられない光景が目に飛び込んできた。
「イイッ……雅也っ、アアアッン……」
女は喘ぎ声をあげながら雅也に手を伸ばすと、その手を取った雅也は腰の動きを速めた。
肌と肌のぶつかる音がこだまする中、女の矯声もまたこだまする。
そして、髪を振り乱しながら顔を歪ませる姿が美しいとさえ感じていた。
それは嫉妬とは違う何か、だけど今の私には分からない。
分かるのは、こんなにも妖艶な表情をする女に雅也を取られたということだけだった。
「好きッ……愛してるっ」
女の言葉にハッと我に返った。
こんな場面に見入っている場合じゃないと声を出そうとしたとき、雅也も同じ言葉を口にした。