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光を求めて
第6章 初体験
「これだから男って嫌よね。――彩羽さんだっけ?この人の遊びにつき合わされて災難だったわね」
「遊び?」
驚くしかできな私を女は憐みの目を向けてくる。
「そうよ。私たち、つきあって3年になるの。だから結婚も視野にいれてるのよ。あなたとのことは雅也から聞いたわ。一時の出来心だって二度と浮気はしないって土下座までして謝ってくれたから一度の遊びぐらいはと許したわ。それに、二度と会わないって約束してくれたんだけどまさか乗り込んでくるとは思わなかったわ」
女の言葉は刃(やいば)のように私の心に食い込んできた。
すべてが初耳で信じられない言葉の数々に私の言葉が震える。
「雅也、嘘……よね。その女の言葉は嘘よね」
信じたくなくて雅也に助けを求めると、雅也はやっと顔を上げてくれた。
まっすぐに私を見つめる視線に何を言われるのかとドキドキして息が止まる。
「雅也……」
「ごめん。こんな形で知られたくなかった、傷つけたくなかった。けど……今の話は本当なんだ。3年前からつきあってるし卒業したら結婚しようと思ってる」
「うそっ」
「嘘じゃない!いつかは言わなきゃって思ってたんだ。けど言い出せなくて……本当にごめん」
頭を下げる雅也と一緒に女も一緒になって謝ってきた。
そんなふたりの姿をみたくない私は逃げ出した。