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光を求めて
第6章 初体験
玄関を出ると、そこには父と母がいた。

「真実だっただろう?雅也くんには彩羽とは別に彼女がいたんだよ」

父が最終宣告をつきつける。
嘘だと思いたいけど、あんな所を見せられれば信じるしかない。

「辛いのは今だけだ。雅也くんが彩羽の運命の相手ではなかっただけのこと。傷をつけられる前に気がついてよかった。そう思うよ」

両親は慰めてくれる。
だけど、その言葉でさえ嫌になる。
何も知らなければ私は幸せで、こんは場面を目にすることもなかった。
私は雅也に愛され抱かれるはずだった。

「彩羽、帰ろう」

父が私の背中に手を回した。
それが嫌で父の手を払い除けた。

「彩羽?」

「お父様もお母様も嫌い……大嫌い!!」

八つ当たりだって分かってる。
ふたりが悪いわけじゃない。
だけど、私の幸せを壊した両親が許せなくて、私はこの場所から逃げ出した。
どこをどう彷徨ったのかわからない。
気がつくとネオンがキラキラと輝く繁華街にいた。
その綺麗なネオンを見ながらただ歩いた。
行く当てもなく、助けを求める相手もなく、これからどうすればいいのかも分からず泣きながら歩き続けた。


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