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光を求めて
第7章 忌まわしい過去
最初からゲンさんは私に優しかった。
見ず知らずの私に泊る場所と食事を与えてくれ、何かあると未だに良き理解者で私を見守ってくれている。
私を通して亡くなった娘さんを見ていたとすれば、どんなに苦しかっただろう。
毎週のように男を見つけてはホテルで一晩過ごす私を見て、何を思っていただろう。
ゲンさんの忠告を一度でも聞かなかった私は馬鹿だと、初めて今の生活を後悔した。
色々考えているとお昼になり、やっとゲンさんが起きてきた。
テーブルの上に置いてある写真と新聞の切れ端を見て苦笑いをするゲンさん。

「ごめん、見ちゃった……」

「別にいいさ、昔の話だ」

私と違っていつもと変わらないゲンさんは無理をしているように見えた。
愛する子供が亡くなって昔の話で終われるわけがない。
ゲンさんの事だから、色々なことを飲み込んで我慢しているに違いなかった。
そう思った私はソファーから立ち上がってゲンさんに抱き付いた。
戸惑うゲンさんに、私は力強く抱きしめてゲンさんの代わりに涙を流す。

「お前が泣いてどうする?」

「だって……」

泣く私と違ってゲンさんは穏やかな声音だった。


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