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光を求めて
第7章 忌まわしい過去
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高校3年の冬休み、私の婚約者だという男がクリスマスプレゼントだと言って、大きなクマのぬいぐるみを持ってやってきた。
小学生じゃあるまいしと機嫌を悪くした私は、その男に笑いかけることはなかった。
それを気にも留めない男は食事の席で、両親と結婚式の話で盛り上がり始めた。
私の結婚式だと言いながら、私はお人形のように口を閉ざすことを強いられ蚊帳の外。
きっと、この場所に私がいなくても話は進み、私そっくりの人形が高砂に座っていても誰も気がつかないのかもしれないと思うと、虚しくなった。
食事会も終わり、ふたりだけでクリスマスを祝ってきなさいと言われ、拒否権のない私は男の車で外に出た。
車が行きついた先は高級ホテルの一室。
窓からは煌く夜景が一望でき、好きな人と過ごすには最高の場所だった。
だけど、私が一緒にいる男は好きでもない家同士が繋ぐ相手。
「本当に彩羽ちゃんは大人しいんだね」
余り話さない私を男はそう認識した。
大人しくてお人形のような清楚なお嬢さん。
本当の私を知らない人はそう思う。
男は私を後ろから抱きしめ、お腹の辺りで両手を揃えると少し膨らんだモノを私に押し当ててきた。