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光を求めて
第7章 忌まわしい過去
私は泣きながら心の中にずっと溜め込んでいたものを吐き出した。
ずっと父から愛されていないと思っていたこと。
私は家の道具でしかなかったこと。
そしてあの男と結婚するのは死んでも嫌ということを吐き出した。
その間、父は一言も言葉を挟まず聞いていた。
どういう風に思っているのか分からない。
勝手な事をするな、お前は親の言うことを聞いていればいいんだと怒鳴られるのだとばかり思っていた。
「私は、もう嫌なの……自分らしく生きられないこの家も、人生も全てが嫌なの!」
全ての気持ちをぶつけると、父は黙ってベッドの上に座って私の肩を抱いた。
「誰もお前を嫌ってはいない。愛していないわけじゃない。……名城家という格式ある家柄で窮屈なのはわかる。無理を強いてきたのかもしれん。けどな、彩羽を愛さないわけがない。何があってもお前は私のかわいい娘だ。あの時だって……」
父はいったん言葉を切り、何かを考えるように口を閉ざした。
「あの時?」
「いやっ、それはいい。それよりだ……私は感情を表に出すのが苦手なんだ。母さんと付き合いだした時に何度も言われたことがある。もう少し愛情表現をしてくださいと……それほどまでに私は、感情を出すのが苦手なんだ」
父は恥ずかしそうに笑う。
だけど、そんな笑顔に私は騙されない。
ずっと父から愛されていないと思っていたこと。
私は家の道具でしかなかったこと。
そしてあの男と結婚するのは死んでも嫌ということを吐き出した。
その間、父は一言も言葉を挟まず聞いていた。
どういう風に思っているのか分からない。
勝手な事をするな、お前は親の言うことを聞いていればいいんだと怒鳴られるのだとばかり思っていた。
「私は、もう嫌なの……自分らしく生きられないこの家も、人生も全てが嫌なの!」
全ての気持ちをぶつけると、父は黙ってベッドの上に座って私の肩を抱いた。
「誰もお前を嫌ってはいない。愛していないわけじゃない。……名城家という格式ある家柄で窮屈なのはわかる。無理を強いてきたのかもしれん。けどな、彩羽を愛さないわけがない。何があってもお前は私のかわいい娘だ。あの時だって……」
父はいったん言葉を切り、何かを考えるように口を閉ざした。
「あの時?」
「いやっ、それはいい。それよりだ……私は感情を表に出すのが苦手なんだ。母さんと付き合いだした時に何度も言われたことがある。もう少し愛情表現をしてくださいと……それほどまでに私は、感情を出すのが苦手なんだ」
父は恥ずかしそうに笑う。
だけど、そんな笑顔に私は騙されない。