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光を求めて
第7章 忌まわしい過去
そして、私の婚約者だった男は私が思っていた以上に私の家との縁を欲しがっていたのだと後になって分かった。
表向きにはわからなかったことだけど、多額の負債をかかえ、結婚して名城家の支援がなければ倒産しかない状況まで追い込まれていたそうだ。
だからどうしても私との結婚は必須で、子供ができれば絆は強固だと思っての事だったらしい。
お互いに誤解が解けた私たち親子は以前に比べると親子らしい親子になったと思う。
私は自分の思いをきちんと言葉にできるようになったし、父も私の話を聞いてくれるようになった。
前みたいに威嚇されることもなければ頭ごなしに否定されることもない。
それでもホントの親子にはなりきれなくて、家にいる事が苦痛なのは変わりなかった。
だから大学の途中で家を出ることにした。
反対はされたけど、もっと自分を知りたい、磨きたいと必死に頼み込み、最後には両親が折れる形になった。
ただし、住む場所は両親が決めたセキュリティのしっかりとしたマンションに決まり、大学を卒業したら父の会社で働くことも決まった。
だけど、父の娘として特別扱いしてほしくない私は母の旧姓で入社することにした。


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