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光を求めて
第8章 知らないこと
会社ではいつものように仕事をしているつもりでも、フトした瞬間に雅也の事を考えてしまいミスを連発する。
頼まれていた資料の数字を打ち間違えたまま取引先に送ろうとして同僚の上野さんに止められた。
「東間さんがミスるなんて珍しい。どこが具合でも悪いじゃない?」
「そういうわけでは……手直しして再度送りなおします」
急いで訂正をして相手先に送った後、何をやっているんだろうとFAXの前でため息をついた。
「疲れてるけど大丈夫?きついなら少し休憩入れていいよ」
そんな私に気がついた上司の田所さんが心配して声をかけてくれた。
どんな理由があろうとプライベートの事を仕事に持ち込んでミスをするのは社会人としてあってはならない事。
この数字ひとつで契約がなくなることだってあると分かっているはずなのに、私の頭の中は雅也でいっぱいになりすぐに考えてしまう。
上司が心配して声をかけてくれているこの時でさえ考えてしまう自分が嫌になる。
「いえ、大丈夫です。申し訳ありませんでした」
いたたまれなくなって頭を下げると、田所さんの手によって身体を起こされ軽く両肩を叩かれた。
頼まれていた資料の数字を打ち間違えたまま取引先に送ろうとして同僚の上野さんに止められた。
「東間さんがミスるなんて珍しい。どこが具合でも悪いじゃない?」
「そういうわけでは……手直しして再度送りなおします」
急いで訂正をして相手先に送った後、何をやっているんだろうとFAXの前でため息をついた。
「疲れてるけど大丈夫?きついなら少し休憩入れていいよ」
そんな私に気がついた上司の田所さんが心配して声をかけてくれた。
どんな理由があろうとプライベートの事を仕事に持ち込んでミスをするのは社会人としてあってはならない事。
この数字ひとつで契約がなくなることだってあると分かっているはずなのに、私の頭の中は雅也でいっぱいになりすぐに考えてしまう。
上司が心配して声をかけてくれているこの時でさえ考えてしまう自分が嫌になる。
「いえ、大丈夫です。申し訳ありませんでした」
いたたまれなくなって頭を下げると、田所さんの手によって身体を起こされ軽く両肩を叩かれた。