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光を求めて
第8章 知らないこと
それからは気まずくて、少しの間お互いに黙ったままだった。
その雰囲気を消したくて片付けようとすると、雅也も一緒にキッチンに立って手伝ってくれた。
ふたりで片付ければあっと言う間に終わり、仕事で疲れてるだろうからとお風呂の準備までしてくれた。
身体を洗ってお湯に浸かれば、疲れも一気に消えてリラックスすることができた。
一人だったら気兼ねすることもないし、雅也の言動を気にすることもない。
ただ自分の好きなようにしていられるこの空間にホッとした。
それに、1時間近く入るほどお風呂が好きで、今日もいつものように入っていた。

「彩羽?起きてる?」

いきなり名前を呼ばれて驚いた私は、驚いた拍子に溺れそうになり湯船の音を響かせてしまった。
その音が余計に雅也に心配をかけせたらしい。

「大丈夫??彩羽??」

「だっ、大丈夫!起きてるから心配しないで!」

「そう?ならよかった。中々上がってこなかったから心配したよ。のぼせる前に出ておいで」

安心した雅也は出て行き、私も上がることにした。

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