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光を求めて
第8章 知らないこと

「彩羽?大丈夫?歩きつかれた?」

雅也の言葉に我に帰ると心配そうに私を見つめる雅也と目があった。

「どこか座れる場所に入って休憩しようか?それとも少し早いけど映画館に行く?」

いつもは大人な感じでしっかりしている雅也が慌てふためく姿がかわいいと思い、自然と笑みがこぼれた。

「どうかした?」

微笑む私を見て雅也は首を傾げる。
そんな雅也に何でもないよと言い、雅也の手を取って近くの店に入った。
手を取ると驚いていた雅也も、次の瞬間には微笑んで握り返してくれた。
手を取った事に他意はない。
ただこの店に入りたかったから手と取っただけだった。
それでもそれが今の私には特別な感じがしていた。
それからおじ様のプレゼントを決めて映画館に足を向けた。
ポップコーンとジュースを持って館内に入ると、人気の映画だけあってほぼ満員で上映が始まるまでにぎわっていた。
それでも予告が始まると一斉に静かになり、隣に雅也の気配だけを感じてドキドキした。
そのドキドキは映画が始まると映画の内容にもドキドキして感情移入してしまう。


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