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光を求めて
第8章 知らないこと
今日、私たちが見ているのは恋愛映画。
幼馴染の男女が成長していく中で友情が愛情に変わり、それでも言葉にしないふたりはすれ違うばかり。
些細な事で喧嘩をし、それでも離れることのなかったふたりは最後には結ばれるというハッピーエンドの物語だった。
バッドエンドよりハッピーエンドの方がいいに決まっている。
だから映画を見ただけなのに、それだけで心が穏やかになれた。

「お互いが好きだって伝わってよかったね」

「そうだね。言葉にしないと何も伝わらないって事なんだろうね」

テンションが上がっている私と違って雅也はどこか寂しそうにしていた。
やっぱり男の人には面白くなかったのかと思い聞くとそうでもないという。

「男性は言葉で言わなくても分かってくれると思うものなんだ。好きだという気持ちも、感謝の気持ちも口にしなくても伝わってるとね。だけど女性は言葉で伝えてほしいと思う。言葉でありがとうや好きだとね」

雅也の言葉にそんなものなのかなと思う。
恋愛経験をほとんどしていない私には分からない事で返事を返すこともできなかった。


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