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光を求めて
第9章 昔のように

「どうしてだろうね、私にも分からないよ。けど、今の雅也を放っておけないと思った。さっき自分で言ったよね。辛い時に誰かが傍にいてくれることほど力強いことはないって。私もそう思うよ。辛いときに傍に誰かがいてくれたら立ち直れる……私もそうだったから」

そう伝えながら色々な男たちの顔が脳裏に浮かんだ。
私の辛い気持ちを和らげるためだけに交わった名前も知らない男たち。
その中には本当に私を心から癒してくれた男もいたし、そうではない男もいた。
だけど救われていたのは確かで、皮肉なことに雅也のつらい気持ちも嫌というほど分かってしまう。

「ごめん……彩羽っ、僕はっ……僕はっ……」

「昔の事はいいよ。会いに来てくれただけでうれしかったよ」

私の言葉が雅也を追い詰めたようで、背中に回した手が服をにぎりしめてきたから慌てて宥める様な言葉を口にする。

「ご、めん……」

「んっ。大丈夫だから……今は何も考えずにこうしていよう。そしたら落ち着くよ」

背中に回していた手を頭に回して包み込み優しく髪の毛を撫でる。
何度も何度も撫でていると次第に雅也も落ち着き、私に身体を預けてくれた。
それが全てを私に託してくれたようでうれしかった。
そして私たちは抱き合ったまま眠りに落ちていった。


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