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光を求めて
第9章 昔のように
目的地に到着すると、入り口のあたりにはマスコミと思われる人達であふれかえっていた。
そのまま裏口に回ると、私たちを待っていたかのようにひとりの男性がタクシーに走り寄ってきた。

「雅也さん!!」

「高杉さん、父の容態はどうなんですか?」

「とりあえず中に入りましょう。話はそれからです――そちらのお嬢様は?」

雅也と一緒に中に入ろうとしている私に気が付いた男性は怪訝そうな視線を私に向け警戒する。
今日一番に注目を浴びた人が倒れたのだから警戒するのは当たり前だと思い、軽く会釈だけすると雅也が紹介してくれた。

「彩羽ですよ、名城彩羽。覚えているでしょう」

雅也がわたしの名前を告げると、高杉さんは目を見開いて驚いていた。
そんな高杉さんに私の方から挨拶をする。

「高杉さん、お久しぶりです。名城彩羽です」

「えっ、あっ、はい。彩羽様でしたか。おきれいになられたので分からず失礼いたしました」

さすがおじ様の第一秘書だけあって一瞬にして平常心を取り戻した。


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