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光を求めて
第9章 昔のように
少し歳を召された感じはするけど、高杉さんも昔と変わってはいない。
高杉さんは須藤コーポレーション、すなわちおじ様の第一秘書。
仕事上だけではなくプライベートなことまでも一切を把握している、良く言う執事のような役割まで引き受けている人だった。
だから幼い頃は何度も会っているし、おじ様と同様に私の事をかわいがってくれた一人でもある。
「挨拶はいいです。それより父の容態は?」
「そうでした。とりあえず歩きながら説明いたします」
静かな廊下を歩きながら、おじ様が脳梗塞で倒れ未だに意識が戻らないと険しい顔をしながら教えてくれた。
「倒れてからどのくらい時間を有したんですか?」
「それが分かりません。今日は疲れたからと申されて21時には寝室に入られたようです。奥様が寝室に入られたのが23時を回っていたとか。それを考えると長くて2時間と言ったところでしょうか?それから救急車で病院に運ばれ、いまだに意識が戻らないのです。このまま意識が戻らないのか、戻ったとしても後遺症が残る可能性が高いと言われています」
もしかしたら意識が戻らないかもしれないという言葉に言いようのない不安が押し寄せてきて、自然と雅也の手を握りしめていた。
高杉さんは須藤コーポレーション、すなわちおじ様の第一秘書。
仕事上だけではなくプライベートなことまでも一切を把握している、良く言う執事のような役割まで引き受けている人だった。
だから幼い頃は何度も会っているし、おじ様と同様に私の事をかわいがってくれた一人でもある。
「挨拶はいいです。それより父の容態は?」
「そうでした。とりあえず歩きながら説明いたします」
静かな廊下を歩きながら、おじ様が脳梗塞で倒れ未だに意識が戻らないと険しい顔をしながら教えてくれた。
「倒れてからどのくらい時間を有したんですか?」
「それが分かりません。今日は疲れたからと申されて21時には寝室に入られたようです。奥様が寝室に入られたのが23時を回っていたとか。それを考えると長くて2時間と言ったところでしょうか?それから救急車で病院に運ばれ、いまだに意識が戻らないのです。このまま意識が戻らないのか、戻ったとしても後遺症が残る可能性が高いと言われています」
もしかしたら意識が戻らないかもしれないという言葉に言いようのない不安が押し寄せてきて、自然と雅也の手を握りしめていた。