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光を求めて
第9章 昔のように
乗り込んだエレベータは静かに上り、ある階で止まり扉が開いた。
扉の前にはスーツを着た人達で溢れかえり、それだけおじ様はみんなに慕われているということだった。
「雅也さん」
「雅也くん」
そのスーツを着た男性たちは雅也を見つけると口々に雅也の名前を呼ぶ。
将来は須藤コーポレーションを継ぐと言われていたから雅也もみんなに顔を知られていてもおかしくはない。
そんな人たちに軽く会釈をしながら病室に入ると、呼吸器をつけられたおじ様がベッドの上に横たわっていた。
その傍ではおじ様の手を握っているおば様が悲痛な面持ちで寄り添っていた。
「母さん……遅くなってごめん」
雅也がおば様の傍に駆け寄ると、おば様は堰を切ったように涙を流しはじめ、雅也は何も言わずにおば様の肩を抱いた。
「母さん……父さんは大丈夫だよ。これくらいの事で死ぬような人じゃない。仕事を辞めてからの事を色々と決めてたんでしょう?だったら大丈夫。父さんは目を覚まして母さんと約束したことを守ってくれるから。ねっ。だから大丈夫、父さんを信じよう?」
最後は自分自身に言い聞かせるように何度も信じようと言葉をかけていた。
扉の前にはスーツを着た人達で溢れかえり、それだけおじ様はみんなに慕われているということだった。
「雅也さん」
「雅也くん」
そのスーツを着た男性たちは雅也を見つけると口々に雅也の名前を呼ぶ。
将来は須藤コーポレーションを継ぐと言われていたから雅也もみんなに顔を知られていてもおかしくはない。
そんな人たちに軽く会釈をしながら病室に入ると、呼吸器をつけられたおじ様がベッドの上に横たわっていた。
その傍ではおじ様の手を握っているおば様が悲痛な面持ちで寄り添っていた。
「母さん……遅くなってごめん」
雅也がおば様の傍に駆け寄ると、おば様は堰を切ったように涙を流しはじめ、雅也は何も言わずにおば様の肩を抱いた。
「母さん……父さんは大丈夫だよ。これくらいの事で死ぬような人じゃない。仕事を辞めてからの事を色々と決めてたんでしょう?だったら大丈夫。父さんは目を覚まして母さんと約束したことを守ってくれるから。ねっ。だから大丈夫、父さんを信じよう?」
最後は自分自身に言い聞かせるように何度も信じようと言葉をかけていた。