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光を求めて
第2章 もう一度信じたくて
「そういえば、名前なんていう~の?」
「あっ、えっと、イロハ、彩りに羽と書いて彩羽」
「彩羽ちゃんね。俺は允(みつる)でこいつが隆司(たかし)」
眼鏡をかけた彼が允くんで、もう一人の茶髪の彼が隆司くんと紹介された。
そして、お互いに軽く自己紹介をしてカラオケが始まった。
その間にお酒は進み、身体がフワフワと軽くなるのが分かる。
壁に寄りかかり、隆司くんが歌うのを聞きながらカクテルを口にする。
「彩羽ちゃんってお酒苦手?」
「苦手っていうか、飲みなれてなくて……」
「えっ?彩羽ちゃんっていくつ??」
允くんが怪訝そうな顔をした。
ここで高校生だとばれるわけにはいかないと嘘をつく。
「19歳、一応未成年?」
「なんだ19歳か、もう少しで二十歳なんだから問題ないっしょ?」
19歳だと分かりホッとしたのか、次のお酒を頼んでくれた。
そのお酒を飲みながら允くんと色々話をすした。
允くんと隆司くんは21歳の大学生。
コンパから抜け出した帰りがけに私を見つけて声をかけてくれたという。
それが本当かどうか分からない。
それでも、私の相手をしてくれるのだから問題はなかった。