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光を求めて
第10章 本当の気持ち

「ほらっ泣かないで。僕は彩羽に泣かれるどうしていいか分からなくなるから泣き止んでよ」

そんな風に優しく声をかけられると、不安だった気持ちと怒っていた気持ちが萎んで消えていく。

「とりあえず上がろうか?」

身体を離されて寂しさを感じていると、腰に手を回されてソファーまで連れてこられた。
並ぶように座ると肩を引き寄せられ、自然と頭が雅也の肩に乗ってそのまま身体を預けた。
その頭を優しく撫でる手にホッとする。

「仕事、忙しいの?」

「そうでもないよ。今日は……急な呼び出しで色々とね。遅くなってごめんね。スマホの使い過ぎで充電が切れるとは思ってなかったよ。それに……彩羽がそんなに心配してくれるとは思ってもなくて、ちょっとうれしかったかな」

最後の言葉に顔をあげると数センチの距離で雅也と目があい、このまま顔を寄せるとキスができる距離に緊張してドキドキが止まらなくなる。

「雅也……」

今のこの状況をどうにかしたくて名前を呼べば、にっこりとほほ笑んでコツッと額に額をぶつけてくる。


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