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光を求めて
第10章 本当の気持ち
「彩羽、ありがとう。父さんが亡くなって、ずっと僕の傍にいてくれてありがとう……そして僕を許してくれてありがとう」
私の言葉に感極まったのか、雅也の声は震えていた。
「許すも何も……お互いに前に進もうよ。過去に悲しい事があったとしても今は幸せだから。雅也が会いに来てくれただけで私はうれしかったよ」
そう言って顔を雅也の胸元から上げると、雅也は涙を流していた。
「雅也は泣き虫ね。あの時はもっと大人だと思っていたのに」
流れた涙を拭いながら笑うと、それにつられるかのように雅也も笑う。
「私は雅也の笑顔好きよ。雅也が笑ってくれると心がポカポカするの。だから笑って!雅也に涙は似合わないよ」
「彩羽……」
本当は泣きたいのに、無理に笑おうとするする雅也が愛おしい。
「雅也、好きよ……私はあなたが好き」
愛おしいと感じると伝えずにはいられなった。
私の本当の想いを知ってほしくて、好きという二文字を口にした。
雅也は驚いているように目を見開き、口をあけたまま動かない。