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光を求めて
第10章 本当の気持ち
一か月以上も顔を出さなかったのに、いつものようにカウンターの上にコースターを置いて快く迎え入れてくれた。

「久しぶりだな?元気だったか?」

「元気だよ。来れなくてごめんね」

「お前が元気ならそれでいいさ。それより適当でいいか?」

この一ヶ月、何があったのか聞きたいのに深く追求してこないのはいつもの事。

「うん。ゲンさんのおすすめのお酒ちょうだい」

「はいよっ」

ゲンさんは機嫌がよさそうにシェーカーを振ってスカイブルー色のカクテルを作ってくれた。

「何かあったら呼べよ」

そう言って他のお客さんの方に行ってしまった。
自分から顔出せと言っておきながらの放置。
ちょっとイラッとするけど、ゲンさんの手仕事を見ているとそんなイライラも収まってくる。
ゲンさんの事だから私の顔を見ただけである程度の事は察してくれたんだと思う。
だから私をひとりにしてもいいと判断して他のお客の相手をする。
何もかも見透かされていて怖いと思うけど、それだけ私の事を理解してくれている。


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