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光を求めて
第10章 本当の気持ち
「そんなに見つめんなよ」
ゲンさんの顔を見ながら考えてると、バーカと言って私に絡んできた。
舌を出して反撃するとガハハハッと豪快に笑って2杯目のカクテルを出してくれた。
「自分が弱いってこと忘れるなよ」
いつものように頭をワシャワシャと撫でながら一言多い。
ぷーっと頬を膨らませると、また豪快に笑って他のお客さんのところに行ってしまい、少し寂しかった。
ゲンさんが他のお客さんの相手をして私がひとりで飲むことは何度もあったのに、今日は無性に寂しく感じた。
「ひとり?一緒しても構わない?」
暫くひとりで飲んでいると、奥の席で飲んでいた男性が話かけてきた。
前だったら楽しく話してホテルに直行だけど、今の私にそれをする必要はない。
「ごめんなさい。今日はひとりで飲みたいから」
断ると、男は残念と言って元の席に戻って行った。
それと入れ違いに私の前にゲンさんがやってきた。
「断るなんて珍しいな?」
「そう?私にもひとりで飲みたい日ぐらいあるわよ」
「そうか?まぁ良い傾向だな」
ゲンさんは満足気に笑いながらもとに場所に戻り、また一人になり無性に人恋しくなる。