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光を求めて
第10章 本当の気持ち

「まぁ、なんだ……ああは言ったが、清香が言った通り信じることをやめたら人間は終わりだ。信じるから人と人との輪が広がるんだ。信じたからこそこの場がお前の安らぎの場にもなった」

お酒を飲んで勝手に盛り上がる清香姉さんたちを他所に、ゲンさんが私の横に座ってウィスキーの入ったグラスを傾けながら話をしてくれる。
その言葉に耳を傾けながら、ゲンさんの言葉を噛みしめ心に刻む。

「信じた男に裏切られ、また同じ男を信じようとするのは並大抵のことじゃない。その答えにたどり着くまで色々と葛藤もあっただろう……その中でお前がその男を信用すると決めたのなら俺は応援するよ。彩羽が自分で出した答えだ。自信をもって前に進め」

「ゲン……さん」

ウルウルする私の頭に手をのせて、覗き込むように私の目を見るゲンさん。

「でもな。何かあればいつでもここにくればいい。嬉しい時はもちろん歓迎する。その逆で辛い時、寂しい時、誰かに頼りたい時はいつもで歓迎してやるよ」

その言葉に我慢していた涙も限界に達した。
とめどなく流れる涙を拭ってくれるゲンさんに何度も何度も頷き、涙を流しながら笑顔を向けた。


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