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光を求めて
第11章 幸せになりたくて
「やばいな。こんなキス初めてだよ」
お互いに満足して唇を離すと、田所さんは恥ずかしそうに視線を外し、そんな言葉を口にする。
私も同じで、全てが蕩けてなくなってしまいそうになるほど身体は感じ熱くなっていた。
「やっと気持ちを伝えたばかりだけど……彩羽を抱きたい……このまま離したくはない」
同じ気持ちの私が静かに頷くと、もう一度深いキスを交わして一番近いラブホに向かった。
赤信号で止まるたびに熱いキスを交わし、エレベーターの中でもキスを交わした。
「こんなに誰かを欲したのは学生の頃以来だよ。全てを犠牲にしてもいいとか……まるで中坊だ。がっつきすぎだよな」
そんな事を言われるとますます気持ちが田所さんに向き、もっと素敵な言葉を口にしてほしいと、この数時間で田所さんに心を奪われていた。
「でも、それだけ彩羽が好きなんだ。10階の部屋になんかするんじゃなかった」
初めては良い部屋が良いと一番高い部屋を選んでくれたのに、この上っていく時間ももどかしいのかブツブツ文句を言う姿が愛されていると感じた。
「私は逃げませんよ」
繋いだ手にキスを落とすと、顔を真っ赤にする田所さんは噛みつくようにキスを始めた。
余裕のない大人も嫌いじゃないと激しいキスに酔いしれる。