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光を求めて
第11章 幸せになりたくて

「浮気じゃないんですか?」

「ああ。彩羽とは真面目につきあいたい。離婚もしていない男が何を言ってるのかと思うけど……真面目なんだ」

ギュッと抱きしめられる温もりと紡ぐ言葉に、さっきまでの寂しさが嘘のように消えた。
彼の一言一言で左右される自分がおかしくて、でも真剣にすべてを話してくれる言葉に信じたいと思えた。

「ありがとうございます。嬉しいです」

「分かってくれて俺も嬉しい。じゃあ出ようか?また時間を作るから……また一緒にいような」

最後にもう一度キスをして部屋を後にした。
駅までの道のりは幸せを感じるけれど、それぞれの家に帰ることを考えると寂しくなる。
もっと一緒にいたいのにそれができないのを理解しても、寂しさばかりあふれてくる。

「そんな顔するなよ。帰したくなくなる」

そう言いながらお互いの電車が来るまで手を繋ぎ、人目のつかない場所で何度も何度もキスを交わした。
キスをすればするほど離れがたく、ギリギリまでキスをし続けた。
先に電車が到着した私が乗り込むと、ドアが閉まる直前に触れるだけのキス。
それがうれしくて、自然と頬が緩んで微笑むことが出来た。


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