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光を求めて
第1章 昼の顔と夜の顔
2杯目のカクテルを飲み終え、次のカクテルを頼もうかと思っている時にゲンさんが綺麗な色をしたカクテルを差し出してくれた。

「あちらのお客様からです」

常連客がいない時は普通に仕事するゲンさんの姿に笑いそうになりながら、ゲンさんが教えてくれた方に視線を向けると、中年の男がカクテルを上げて微笑んでいた。
私は差し出されたカクテルを上げて微笑んで口にする。
仄かに甘みがする口当たりのよいカクテル。
だけど調子にのって飲むのは危険だと分かる。
暫くひとりで飲んでいると、先ほどの男がグラスを片手に私元にやってきた。

「ご一緒しても?」

「ええ。どうぞ」

男の言葉に警戒心もなく答えると、身体をこちらに向けて座った。
見られていると分かっていても視線を合わせず、先ほど男から貰ったカクテルに口を付けた。

「それ美味しいでしょう?僕のおすすめなんですよ」

「美味しくてもアルコールは強いですよね」

そう言って男の顔を見れば驚いた顔をしていた。
甘くて飲みやすい女性に人気のカクテル。
だけどアルコールが強く、女性をお持ち帰りするにはうってつけの代物。


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