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光を求めて
第1章 昼の顔と夜の顔
「それが目的ですか?」
「それを分かっていて飲むキミの目的もそれかな?」
質問を質問で返され、慣れているのを感じたけどイヤじゃない。
目線を上げると一瞬視線が交差し、お互いが同じ意味合いの笑みをこぼした。
少しの間会話を楽しみ、私がトイレに行くために席を外している間に男は会計をすませ、私のコートとバックを持って出る準備をしていた。
「ありがとう」
そう言葉にすると、何も言わずにコートを広げて私はその袖に腕を通し、完璧なエスコートに期待が服らんだ。
「今日は楽しかった。また寄らせてもうらよ」
男はゲンさんに一言告げ、私の腰に手を回し出口に向かった。
振り返るとゲンさんは眉間に皺を寄せ寂しそうな表情をする。
そうさせているのが私だと分かっていても、自分の欲望を埋めるために「じゃあね」と軽く手を振って男と店を後にした。
行先はお互いに言葉にしなくても分かっているから迷うことなく目的に向かう。
腰に回す彼の手は厭らしくも私の肌をなぞり、足を止めるたびに首筋にキスを落としてくる。
決して唇にはせず、焦りを感じない行動にも満足だった。