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光を求めて
第12章 甘い言葉

「私は感情を出すのが苦手だ。笑いもしなければ優しくもない。それでも慕ってくれる。名城さん!須藤さん!と私たちの名前を呼んで笑顔でかけよってくる姿を今でも良く覚えているよ」

そう話しながら父は瞳を閉じた。
きっと、瞳を閉じた父にはその情景が浮かび、その人が父たちを呼ぶ声が聞こえているんだろう。
そんな父の青春時代に人間味を感じた。

「そのもう一人のお友達とは今でも?」

「いや……もう何年も会ってはいない。きっとこれからも会うことはないだろう」

懐かしそうにしていた父は少し寂しそうに笑った。
おじ様と最後に話したとき、おじ様が父に仲直りしろと言っていった相手はその人だんだろう。

「仲直り……しなくていいんですか?」

「仲直りか」

「はい。おじ様の願いでしたよね」

「そう口にしていたな。だけどどうにもできない事もある。私とあの男がこの先交わることは決してない……あってはならないだ。……それが私の償いだ」

「償い?」

思いもよらない言葉に問い返すと、父は軽く頭を振っていつもの表情に変わる。

「少し話過ぎたな……お前も終電がなくなる前に帰りなさい」

父はそれだけ言って出て行った。


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