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光を求めて
第12章 甘い言葉


――償い…


残された私は父の言葉を考えていた。
償いということは何か罪を犯したことになる。
何事にも慎重で失敗を許さない父が起こした罪が何なのか気になって仕方がなかった。
だけどそれを知るすべを私は知らない。
誰もいなくなった室内で、父の言葉を考えていると直帰だったはずの田所さんが顔を出してくれた。

「直帰じゃなかったんですか?」

「彩羽に仕事頼んだのに帰れるわけないだろう」

優しい言葉に嬉しくなり、今まで考えていたことが消えてなくなった。

「そういえば、社長と会ったんだけど、ここに来た?」

いきなり社長と言われてビクッと反応する。
気軽に話をしていたけど、あと少し田所さんが戻ってくるのが早ければ鉢合わせをしていた……

「何か言われた?」

「いっ、いえっ……余り遅くならないようにと言われただけです」

慌てて言葉に出すると、ごめんなと言って何も感づかれていないようだった。
田所さんであっても父との関係が知られるわけにはいかない。


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