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光を求めて
第12章 甘い言葉

「それだけならいいけど……女の子だけ残業させてって怒ってなかったか?」

「えっと……遅くまでご苦労様って言われました。それに田所さんが社長に会ったのなら戻ってきたのが分かってるはずだから大丈夫だと思いますやよ」

苦しい言い訳をしながら冷や汗しかでてこない。
だけど私の心配を他所に、私の言葉で納得してくれたようだった。

「だったら良いんだけど……それより今日はごめんな。彩羽とゆっくりできる日なのに打ち合わせが入って」

申し訳なさそうにする田所さんの姿にキュンッとして、私の方から触れるだけのキスをした。

「大丈夫ですよ。こうやって戻ってきてくれただけでうれしいですから」

「そう言ってもらえると気が楽になるよ。とりあえず、それは明日使うやつだから今日中に終わらせようか」

机の上をコンコンと叩いて仕事をすることを促がされ、もっと触れていたいのにと頬を膨らませると、もう一度机の上をコンコンと叩かれた。
しかたなくPCに向かって仕事を始めると、労をねぎらうように肩を揉んでくれた。


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