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光を求めて
第12章 甘い言葉

「今の電話、奥さんからなんだ。普段は仕事中には電話してこない奴だから何かあったかと心配したらさっ。妊娠したって報告の電話だったんだ。ずっと望んでたことだから俺うれしくてさっ……直ぐに帰るから、彩羽も気を付けて帰れよ」

満面の笑顔で帰ろうとする田所さんの腕を取って止めた。
何かを言わなきゃと思っても言葉にならない。

「早くしてくれないか?早く帰って抱きしめてやりたいんだ」

田所さんの中には私がいない事がはっきりと分かっても、愛し合った時間が嘘だとは思えなくて、声を震わせながら聞いた。

「こっ……子供って、夫婦関係は破綻してたんじゃないんですか?」

「そんな事言った?」

私の言葉にあっさりと返事をする。
その言葉が信じられなくて ムキになって声を荒げた。

「だって、私とは浮気じゃないって……離婚になったら不利だからって!!今も抱いてくれたじゃないですか!」

ちゃんと言いたいのに気が動転して上手く言葉が出てこない。
だけど、私の言いたことを分かってくれたのか、ああ……と納得した声をあげた。
そして……


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