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光を求めて
第13章 生きているこそが
「彩羽、何があった?」
心配そうに聞いてくるゲンさんに申し訳ないと思いながら、今は誰とも話したくはなかった。
それに、死のうとしていたなんて口が裂けても言えない。
「ごめん……眠ってもいい?疲れちゃった」
「あ、そうか、そうだな。隣にいるから何かあったら呼べばいい」
横になる私の頭を優しく撫で、肩まで毛布をかけてくれたゲンさんはお店に戻って行った。
ゲンさんが消えて大きく深呼吸して心を落ちつかせて目を閉じた。
目を閉じると嫌な事ばかりが脳裏に浮かび、慌てて目を開くと誰もいない寂しい空間が広がっていた。
私はいつだってひとりだ。
あの時からずっとひとりだった。
誰かに傍にいてほしくて毎週のように男と一緒にいても、その男たちはSEXをしたいだけで私の事なんて見てはくれない。
何も報われないのも分かっていたし、逆に虚しくなるのも分かっていた。
こんな誰にでも抱かれる女を雅也が好きになるはずがない。
こんな誰にでも身体を開く女を誰も愛してはくれない。
「消えてしまいたいよ……消えてしまいたい……」