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光を求めて
第13章 生きているこそが
流れる涙でソファーを濡らしながらいつの間にか眠ってしまった私は、久しぶりに夢を見た。
広い家の中、ひとりで遊んでいる幼い私。
いや……幼い私がふたり。
同じ服を着て同じ髪型をして、そして同じブロンドの長い髪の毛にクリクリした瞳を持つお人形で楽しそうに遊んでいた。
そのお人形に見覚えがある。
それは幼い頃に父に買ってもらった私の宝物。
厳しくても優しくて大好きだった父。
そう……この頃までは父の事が大好きで、大きくなったら父と結婚するんだと思っていた。
それが変わったのは……私に専属の運転手が付いた頃からだ。
いつも難しそうな顔をして、何かにつけて叱られるようになった。
父に愛されたくて父の言う通りの大人になりたいと必死に頑張った。
だけど、どんなに頑張っても父は褒めてくれず、父は私が嫌いなんだと思うようになった。
遠い過去に思いを馳せていると、ドアが開いて一人の見知らぬ男が入ってきた。
その男に幼い私は満面な笑顔を向けて抱きついて甘える。
その姿を羨ましそうに見るもうひとりの幼い私。
そんなもうひとりの私に気がついた男は、懐かしさを漂わせる笑みを浮かべて私の名前を呼んだ。

『彩羽ちゃんもおいで!』

膝をついて片手を広げてくれる男性に、幼いもう一人の私はかけよって抱きついた。
その温かさが私の身体にも伝わる。
暖かくて……今、私が欲しい温もりだと思うと涙が流れ落ちていく……


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