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光を求めて
第13章 生きているこそが
暖かな温もりで目を覚ますと、そのぬくもりを与えてくれているのはゲンさんだった。
あたたかな温もりに包まれていたから、幸せだった頃の夢をみたんだと納得した。
だけど、双子の様にそっくりなふたりの幼い私。
記憶を辿ってもそんな子と遊んだ記憶はない。
ましてや私が双子だったことや、姉か妹がいたという話も聞いたこともなかった。
だったらただの夢……そう考えてもおかしくはないのに、ただの夢で片づけるにはなぜか違和感が残った。

「起きたか」

薄っすらと瞳を開いたゲンさんの掠れた声に我に返った。

「夢、見てたの」

「夢?」

「幼い頃の夢。私とそっくりな女の子がいたの。洋服も髪型も、持っているお人形も同じ……私に双子の姉妹もいないのに、変な夢だった」

「……そうか、変な夢だな」

いつにも増して暗い声に顔を上げれば、揺らいだ瞳が私をじっと見つめていた。
今にも泣き出してしまいそうな表情に何か変な事を言ってしまったのかと困惑した。

「ゲンさん?どうかしたの?」

ゲンさんの頬に手を当てて聞けば、ビクッと身体を震わせ私の身体を痛い程抱きしめてきた。
今までにない強さにギシギシと骨がきしむ感じがした。

「いっ、痛いよっ!ゲンさん!」

痛いと訴えかけても抱く腕の力が緩まることはなかった。


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