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光を求めて
第13章 生きているこそが

「何馬鹿な事言ってるんだ!!俺がお前を必要としている。お前が俺の前に現れて……どれだけ俺が救われてきたか……だから死にたいなんていうな!お願いだから……俺の目の前から消えないでくれっ」

頬に痛みは広がるけど、抱きしめられた腕からは人の体温が伝わってくる。
そして、ゲンさんの暖かな心の温もりまで伝わってきた。

「ゲンさん……」

「お前が現れるまで生きてるのに死んでるような毎日だった……楓が死んでから何年たってもその悲しみが消えることがなかったんだ……その悲しみから救ってくれたのが彩羽、お前だ。お前と出会ってから俺の人生はまた動き出した。お前がいたから俺は前に進もうと思えた。……だから誰も必要としないなんていうな。ちゃんとお前を必要としている男がここにいることを知ってくれ」

初めて必要だと言われた言葉が信じられなかった。

「私が……必要?」

「ああ、今でも彩羽が必要だ。毎日仕事をする張り合いがでるからな」

「でも……誰も私の事なんか愛してれくないよ」

「彩羽!よく聞け」

ゲンさんは両手で頬を包み込み、顔を上げさせた。
射貫くような瞳で見つめられ逸らすことができなかった。



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