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光を求めて
第13章 生きているこそが
暫くゲンさんの温もりに抱かれ、お互いに何も喋らず寄り添っていた。
ゲンさんの温もりを感じていると、心は落ち着き始めた。
そんな私の気持ちの変化に気がついたゲンさんが口を開いた。
「なぁ彩羽。何があったか話せるか?」
ゲンさんの肩に頭を預けている私の髪の毛を優しく撫でながら聞いてきた。
「心の中の嫌な事……吐き出さないと同じ事の繰り返しになるぞ?――あの男と何かあったのか?」
あの男と言われ一瞬田所さんを思い出したけど、すぐに違うと分かった。
ゲンさんと最後に会ったのは雅也に好きだと言った夜。
気持ちを伝えて、もう一度最初からやり直そうとゲンさんや清香姉さんに伝えて軽やかに帰ったあの日。
だからゲンさんは雅也の事で何かあったと思っている。
「話してみろ。何があった?」
ここまできて、隠し事はできないと全てを話すことにした。
「帰ったら……いなかったの」
「いなかった?」
「うん。一枚の置手紙残して消えちゃった」
思い出しただけでも涙があふれてきて、心がギュっと押しつぶされそうになり息苦しくなった。
「焦らなくていい。最後まで話を聞くから、自分のペースで話せばいい」
穏やかな声音に心がおちつき、思い出したくない過去を思い出す。
ゲンさんの温もりを感じていると、心は落ち着き始めた。
そんな私の気持ちの変化に気がついたゲンさんが口を開いた。
「なぁ彩羽。何があったか話せるか?」
ゲンさんの肩に頭を預けている私の髪の毛を優しく撫でながら聞いてきた。
「心の中の嫌な事……吐き出さないと同じ事の繰り返しになるぞ?――あの男と何かあったのか?」
あの男と言われ一瞬田所さんを思い出したけど、すぐに違うと分かった。
ゲンさんと最後に会ったのは雅也に好きだと言った夜。
気持ちを伝えて、もう一度最初からやり直そうとゲンさんや清香姉さんに伝えて軽やかに帰ったあの日。
だからゲンさんは雅也の事で何かあったと思っている。
「話してみろ。何があった?」
ここまできて、隠し事はできないと全てを話すことにした。
「帰ったら……いなかったの」
「いなかった?」
「うん。一枚の置手紙残して消えちゃった」
思い出しただけでも涙があふれてきて、心がギュっと押しつぶされそうになり息苦しくなった。
「焦らなくていい。最後まで話を聞くから、自分のペースで話せばいい」
穏やかな声音に心がおちつき、思い出したくない過去を思い出す。