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光を求めて
第13章 生きているこそが
「彩羽……世の中には理不尽な事も辛いことも悲しい事もたくさんある。そして、それ以上の楽しい事、嬉しい事、幸せな事もたくさんあるんだ。彩羽はまだ25歳だ。これからいくらだって幸せはやってくる。何十年と生きる中での、ほんの一時の出来事で人生を捨てるのは馬鹿げてる」
ゲンさんの胸の中で小さな幸せをかみしめていると穏やかな声が聞こえ、その言葉に耳を傾る。
「この二十数年、嫌なことばかりだったか?そうじゃないだろう?裏切る奴もいれば、助けてくれる奴もいる。俺や清香みたいに寄り添ってくれる奴もいる。……良い事もあれば悪い事もある。それが人生だ。良い事だけが続いたら人間は成長しないさっ」
ゲンさんの言う通り、悪い事ばかりじゃなかった。
ただ悪いことが重なっただけで、良い事はちゃんとあった。
「彩羽は良い子だ。それは俺が一番知っている。ただ、今まで出会った男たちがしょうもない男だっただけだ。これからは俺がお前に相応しい男を探してやるよ。俺が納得しない限り結婚もさせる気はないからな。お前の親父が許しても俺が許さないから。覚えておけよ」
「うん、ゲンさんが認めてくれない男とは結婚しない」
ゲンさんが認めてくれる男。
それはどんな男なのか。
それよりも、ゲンさんが認めてくれる男が存在するのかさえ不明だった。
だけど、そう思ってくれる心が嬉しかった。
ゲンさんの胸の中で小さな幸せをかみしめていると穏やかな声が聞こえ、その言葉に耳を傾る。
「この二十数年、嫌なことばかりだったか?そうじゃないだろう?裏切る奴もいれば、助けてくれる奴もいる。俺や清香みたいに寄り添ってくれる奴もいる。……良い事もあれば悪い事もある。それが人生だ。良い事だけが続いたら人間は成長しないさっ」
ゲンさんの言う通り、悪い事ばかりじゃなかった。
ただ悪いことが重なっただけで、良い事はちゃんとあった。
「彩羽は良い子だ。それは俺が一番知っている。ただ、今まで出会った男たちがしょうもない男だっただけだ。これからは俺がお前に相応しい男を探してやるよ。俺が納得しない限り結婚もさせる気はないからな。お前の親父が許しても俺が許さないから。覚えておけよ」
「うん、ゲンさんが認めてくれない男とは結婚しない」
ゲンさんが認めてくれる男。
それはどんな男なのか。
それよりも、ゲンさんが認めてくれる男が存在するのかさえ不明だった。
だけど、そう思ってくれる心が嬉しかった。