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光を求めて
第14章 制裁
「お前、レイプされかけたんだろう?違うのか?」
「違わないですけど、でも……あのっ……」
眉間に皺を寄せ睨まれると、知っている男でも萎縮して言葉がでなくなる。
アタフタしている私に男は何を思ったのか、私の前髪をかきあげジーッと見つめてきた。
そして驚いた様に目を見開いた。
「もしかして……ゲンさんところの子か?」
その言葉に頷くと、男は少しだけ表情をやわらげた。
「警察沙汰は困るんです。なので、あのっ」
「……まぁ、ゲンさんの所のなら仕方がないな」
男は……以前にも私を助けてくれた事がある優さんは理由も聞かずに私の提案を聞き入れてくれた。
その優さんは、田所さんに顔を近づけて今まで以上の低い声で脅す。
「今後、この子に手を出すなよ。手をだしてみろ。ただじゃすまないからな」
田所さんは青ざめた顔をして何度も何度も頷き、優さんが手を離した隙に慌てて逃げ出して行った。
その後ろ姿が漫画やドラマに出てくるような逃げ方だったのでふたりして笑い、あんなに怖かったのに今はその欠片さえ見つからない。
田所さんが目の前から完全に消えたのを確認し、私たちはタクシーに乗ってmaple-メイプルに向かった。