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光を求めて
第14章 制裁

「あのっ……この前は迷惑をかけてしまってすいませんでした」

この前と言っても一か月も前のことだけど、ずっと謝りたいと思っていたから素直に言葉にした。

「あっ?ああ~。もう死のうとか考えるなよ。死にたければ迷惑がかからない場所でやってくれ」

窓の外を向いたまま冷たい言葉を浴びせられたけど、窓に映る彼の表情は言葉とは違って穏やかだった。
もしかしたら口が悪いだけで、そんなに悪い人じゃないのかもしれないと思いながらゲンさんの言葉を思い出す。


――お前は簡単に人を信用しすぎるんだよ


その通りで、少しでも優しくされると信じてしまう。
それが一時の事だとしても縋り付く習慣が出来ていた。
タクシーは見慣れた町を進み、いつものビルの前に到着した。
エレベーターに乗ってお店に顔を出すと、ゲンさんが訝し気に私と優さんを交互に見ていた。

「たまたま会っただけですよ。誰もゲンさんの娘には手を出しませんって」

ハイスツールに座りながら優さんは弁解する。

「そうそう。そんな勇気がある男がこの辺りにいるわけないわよね」

「ですよね?ゲンさんには逆らいたくないですよ」

優さんは清香姉さんと楽しそうに話し、本当に常連さんだった。
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