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光を求めて
第2章 もう一度信じたくて
「あ~……来週さぁ、お袋が来るって言ってるんだ」
あんなに言いにくそうにしていたからもっと別の事を言われるかと思っていた私は、允くんの一言にホッとした。
「それでな、ここに泊まるって言ってるから、さすがに彩羽がいたらさっ……」
濁す言葉の意味を理解した。
お母様が来るのに私がいるわけにはいかないから、その間は出て行って欲しいということ。
行くところがないと分かっているから言い出しにくかったんだ。
「お母様が帰ったら戻ってきていい?」
「あっ?……そうだな。ここは彩羽の家でもあるんだし……」
この家は私の家でもあるという言葉がうれしかった。
そして帰ってくる場所はここだと言われて、允くんの愛を感じた。
「そっか、分かった。じゃあ、数日間はどこかに泊まるね」
私の言葉に允くんはほっとしていた。
だけどその間、私はどこに泊まろうかと考えていた。
行く場所もなく、泊めてくれる友達もいない。
允くん以外の男とSEXはしたくなかったけど、泊まる場所を考えると昔みたいに駅前で泊めてくれる人を見つけるしかないと、昔の生活に戻るのが億劫に感じた。