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光を求めて
第15章 友達

「優さん、3回も助けてくれてありがとうございます」

ある程度お腹を満たした後に改めてお礼を言うと、気にするな問題ないと答えてくれた。
それでも感謝の言葉を述べると黙って食えと怒られる。
だけど、少しずつだけど優さんの優しさが分かるようになってきた。
どんなに口が悪くても心根は優しい人で、頼りがいのあるお兄さん的存在。
そして、お酒が進むと言葉も進み、優さんのことを知ることができた。
仕事は建築関係でいわゆるガテン系。
年上の職人さんたちに馬鹿にされないように声を張り上げていたら、それが普通になってしまったという。
それを笑うと優さんも笑った。
ここ数か月は、私の会社の近くが現場で連続して助けることができたのだと教えてくれた。
そして驚いたことは、優さんもそれなりの家柄だと言う事。
名前を聞いて分かるぐらいの会社の跡取りだった。
その御曹司がどうして現場なのかと聞くと、上に立つ者として現場を知ってないと駄目だろう、職人さんあっての会社だからなと、それが当然かの様に口にする。

「将来は経営側に回るが……俺には現場があってるんだよなぁ~」

残っているビールをクイッと飲み干し手酌する。


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