この作品は18歳未満閲覧禁止です

- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
光を求めて
第15章 友達

「現場は楽しいですか?」
「ああ、毎日が楽しいな。50代60代が元気に大声張り上げて頑張ってるんだ。俺の身分関係なくこき使ってくる。今じゃなくなったが入りたての頃は毎日のように怒鳴られて取っ組み合いの喧嘩もしたことあったっけなぁ~。そんな奴らと毎日一緒に居たら自然と言葉遣いも変わって口が悪くなっちまった。まっ!それでも良いと思ってるけどな。どんなに変わろうと俺は俺だ。中身が変わるわけじゃない」
楽しそうに現場の事を話す優さんは、本当に仕事が大好きだということが伝わってくる。
「私も最近は楽しいです。今まではひとりで黙々と仕事していたんですけど、今回の事がきっかけで同僚のみんなと仲良くなって、会社に行くのが楽しいんです」
「仕事は楽しくなくちゃな!じゃなければ毎日が退屈でつまらん!」
上機嫌な優さんは飲めば飲む程饒舌になり、別れるまでずっと笑顔だった。
途中まで一緒に帰り、名残惜しくも別れることになる。
「今週末もmaple-メイプルに来るか?」
駅のホームで分かれる直前、優さんが口を開いた。
「はい。たぶん行くと思います。」
「そうか。俺も行くと思うから次はmaple-メイプルでな」
次の約束に寂しかった気持ちも一気に消え嬉しくなった。

