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第15章 友達

それから3日間、早く週末になってほしくてウキウキしていた。
仕事が終わっても店はまだ開いてはいない。
開く時間まで仕事をして、良い頃合いに店に向かった。
ドアを開けるとお客さんは優さんだけでゲンさんと楽しそうに話していた。

「「おつかれさん」」

ふたりに声をかけられ、優さんはハイスツールを引いてくれたからそこに座った。

「彩羽はいつものでいいのか？」

「うん。軽めでお願い」

カクテルが出てくる間に、優さんは食べていたピザの残りを分けてくれた。
バーなのに食べ物が充実していて、その中でもピザは人気メニューだった。
生地から作り上げるこだわりでゲンさんの自慢料理でもある。
店ではちゃんと料理をしてお客さんに出すのに、自宅の冷蔵庫にはアルコールしかない。
何度食事はちゃんとしてと言っても変える気がないようでいまだにアルコールばかりだ。
だから時間があれば作り置きしに行くことが多い。
それを優さんに話すと、娘というよりも母親だなと笑われた。
その笑顔にもだんだんと慣れてくる。
初めは怖いイメージしかなかったけれど、一緒にいれば良く笑う人だと分かる。
そして誰に対しても物怖じしない。
それも現場で培ったと教えてくれた。