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光を求めて
第15章 友達
それからしばらく飲んで最終電車で帰ることにした。
ゲンさんと漫才みたいな掛け合いをしたおかげか、心はポカポカと温かい。
そして横には優さんがいるからなおさら心穏やかになれた。

「今日はありがとうございました。楽しかったです」

「そうか?俺も楽しかったよ」

少しほろ酔い気分の私たちは、のんびりと駅までの道のりを歩いた。
いつもの男だったら腰に手を伸ばして身体を寄せてくるのに、優さんは一定の距離を保ち私の歩調に合わせてくれる。
その距離さえも丁度よくて安心できた。
この人は私の身体目的じゃないと思えたから。

「また、一緒に飲んでもいいですか?」

「ああ。週末はmaple-メイプルに入りびたりだからな。あの店に来れば飲めるだろう」

「はい。私も週末はあのお店ばかりなので、またご一緒してください」

「ああ。そうだな。ひとりよりお前と飲んでるほうが楽しそうだ」

その言葉が嬉しくて週末はゲンさんの店に通う日々が続き、ゲンさんの店で男を探すこともなくなった――


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