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光を求めて
第15章 友達
私が優さんの事を好きだと認めたくなくて否定的な言葉を口にしようとしても、心の片隅ではそうかもしれないと思っている自分がいる。
優さんの事を考えると心が温かくなり、会えばホッとする。
もっと優さんの事を知りたくて、だけどガッツいて嫌われたくないから積極的には行けない。
そんな感情を私は一度味わっている。
それは私が忘れていた気持ち。
雅也に裏ぎられ、傷つきたくない私が忘れようとしていた感情だった。

「その顔じゃ、やっと認める気になったようね」

上野さんが楽しそうに口を開く。

「だけどっ、少し前までは田所さんの事を!」

数ヶ月前まで田所さん事を本当に好きだった。
結局は最低な人だったけど、好きだった気持ちは変えようがない。

「人の気持ちは変わるもの。昨日どうも思ってなかった人が今日は好きになってたりは当たり前。それに、助けに来てくれたヒーローに恋心を抱かない女なんていないわよ」

「そうですよ。好きになるのに時間は必要ないんです。結局は田所より、その優さんへの好きが上回っただけなんですよ」

ふたりの意見を聞きながら、好きだと認めていいんだと思えた。
簡単に人を信じる私だけど、ゲンさんも認めた優さんならと――優さんへの恋心を自覚した。


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