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光を求めて
第16章 初デート
「お飲み物はおビール?」
「いや、これから映画を見に行く予定だから止めとく。お茶でも出してくれ」
「あらあらっ、これからデートなのね。その前にこの店を使ってくれるなんてうれしいわっ」
「えっ???デッ、デート??」
「違うのかしら?」
デートと言われてテンパル私と違って女性はホホホホホッと上品に笑いながらお茶とおしぼりを出してくれた。
ちらりと優さんを見れば、気にもしていないようで少し寂しく感じた。
「ねぇ、優さん……」
「んっ?何だ?」
「……少しだったらお酒飲んでもいいですよ」
これはデートですよねと聞けずに他の事を口にする。
「んっ?いや、飲んだら少しじゃ終わらないからな。映画も楽しみにしてるから今日は止めとくよ。その代わり映画見たらmaple-メイプルに行って飲もうぜ。それまでの辛抱だ」
子供の様に笑う優さんの顔を見ていると、まぁいいかと思えて来た。
「我慢した後のお酒は格別でしょうね」
「だな。ここでお酒が飲めないのはもったいないがな」
「次は夜にでも顔を出してちょうだいね。美味しいお酒を用意してまってますから」
そう言って女性は裏に入って行った。
それと入れ違いに、白いシャツに赤い前掛けをした若い女性が顔をだした。