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光を求めて
第16章 初デート

「いらっしゃい!優」

「ああ、今日は世話になる」

彼女は優さんを呼び捨てにして笑顔だった。
だけど私には一瞬冷たい視線を向け、そこに私がいないかのように話を始めた。

「相変わらず言葉が少ないんだから」

「今更だろう?」

「そうね。私と優の仲だしね。言葉にしなくても分かるわよね」

ちらっと私の方に視線を向けたその目には勝ち誇ったような光が宿っていた。

「それより今日はお任せでよかったわよね」

「ああ。お前の料理は全て美味しいからな。お前は?嫌いな物とかアレルギーとかはないのか?」

「あっ、はい。何でも大丈夫です」

「じゃあ、こいつの分もお任せでいいか。今日も期待しとく」

「そうね。優の食べ物の好みは把握してるからね。じゃあ、1時間半ではじめるわね」

私を無視して話す彼女を見て、彼女も優さんが好きなんだと分かり、お互いにお互いのことを気にしながら料理の時間が始まった。


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