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光を求めて
第16章 初デート
優さんの言った通り一品一品どれも美味しく、見た目からも楽しむことができた。
家族と疎遠になってからはこういう雰囲気な店には来ていなかったから少なからず緊張もする。
それに、何と言っても彼女から向けられ視線が気になって仕方がなかった。

「何眉間に皺寄せて食ってんだよ。美味しくないのか?」

「ううん、美味しいけど……」

「美味しいけど何だ?」

彼女の視線が気になるとは言えず、緊張していると告げると優さんは声をあげて豪快に笑った。
そんな優さんを彼女は驚いた表情で見ていた。

「やっぱり、お前は可愛いな。そんな事で緊張してないで美味しく食べろ」

上機嫌な優さんは、いつも以上ににこやかな表情をしている。
その表情を私に向けてくれていると思うと嬉しくて、目の前の彼女に視線を向けると悔しそうな表情を浮かべていた。

「優さんがそんな風に笑うなんてね。よっぽどお気に入りなのね」

年配の女性は彼女と違って穏やかに話してくる。
その言葉が嬉しくて、彼女の視線を気にすることなく美味しく食事をすることができた。


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