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光を求めて
第16章 初デート
「はぁ~食った食った」
最後のデザートまでお腹の中に入れると、優さんは背もたれに身体を預け大きくなったお腹をポンポンと叩いた。
「優さん、おじさん臭い!」
「ああ?文句あるか?」
「……ないです」
凄まれたらやっぱり怖い。
それでも、本当に凄んでるわけでもない。
これがこの人の普通。
「さて行くかっ!!」
「優さん、お会計!!」
席を立ち、さっさと外に出ようとする優さんに驚いて声をあげると、女性が笑う。
「ふふふっ。大丈夫よ。いつもツケで食べて行く人だから」
ツケ?と驚いていると優さんの声が店内に木霊する。
「さっさと来い!置いて行くぞ!!」
「あっ、ごめんなさい」
慌てて店を出ようとすると、優さんは振り返りカウンターの中にいる彼女に声をかけた。
「今日も上手かったよ。また近いうちに顔出すよ」
「うん。ありがとう!待ってるね」
優さんの一言で笑顔になる彼女を見て、本当に優さんを好きなんだと思った。
だけど、せっかく見つけた好きな人。
負けるわけには行かないと変な力が身体中を駆け巡った。