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光を求めて
第16章 初デート
「仕方がないな。聞いてやるから、とりあえず座れ」
1つ席を空け、清香姉さんを私との間に座らせた。
そこにすかさずゲンさんが冷たい水とおしぼりを出した。
それを一気に飲み干して落ち着いたと思ったら、一粒の涙がカウンターを濡らした。
「あいつ……二股かけてた。相手は20歳よ20歳!!自分より15歳も年下よ!!問い詰めたらっ、若い子に言い寄られて断れなかったって。そうよ!私はもう40歳よ!!ピチピチじゃないし枯れかけてるわよ!!だからって……子供できたから別れて欲しいって、あんまりじゃない」
話しているうちにカウンターの上には涙が落ちていき、最後には顔を伏せて泣き出した。
その頭を優しく撫でる優さんの瞳が印象的だった。
「早くに分かってよかったんだよ。これが結婚した後だったら最悪だろう?それに、そのくらいで浮気するような男ならこれから先何度だって浮気するんだ。だから早くに分かってよかったんだよ」
諭すように口にする優さんに、清香姉さんはイヤイヤと頭を振る。
「浮気するような男と一生共にしたかったのか?違うだろう?」
優さんの言葉にコクリと頷く清香姉さん。