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光を求めて
第16章 初デート
「ちゃんと自分だけを見てくれる人がいいよな?清香姉さんは良い女だよ。それを分からない男は後で後悔するんだよ。逃がした魚は大きかったってな」
「私……魚じゃないもん」
「言葉のアヤだろうが。まぁ、その男より良い男見つけて見返してやれ。やっぱり清香姉さんが良かったって言ってきたらそれ以上の男を見せつけてやれっ」
優さんの言葉に顔を上げた清香姉さんは、鼻をすすりながらも笑っていた。
こんな短時間の内に清香姉さんの気持ちを落ち着かせる優さんの言葉に感服する。
だけど、清香姉さんは私たちが思っていない言葉を投げかけて全員を絶句させた。
「だったら優さんがなってよ。私の新しい恋人に」
ねぇ~と、優さんの膝の上に両手をついて詰め寄る姿に私の方がドキドキする。
そして優さんが何と答えるのか気になった。
きっと、ゲンさんも他の常連さんたちも優さんの答えを固唾を飲んで見守っていると思う。
それだけ店内は静まり返っていた。
そんな静まり返った中で優さんの声が透る。